こんにちは。にしきよです。
本日もよろしくお願いします。
今回の出来事です↓
1.パレスチナ自治区ベツレヘムへ
2.イエスが生まれた地、生誕教会
3.パレスチナの天使たち
1.パレスチナ自治区ベツレヘムへ
2023年4月16日のお話
シャローム!(ヘブライ語でこんにちは)
おはようございます!
本日はエルサレムから遠足です。
バスで40分くらいの場所にある「パレスチナ自治区」に行ってきます。
パレスチナ自治区と言っても現在進行形で戦火が上がっている「ガザ地区」の方ではなく「ヨルダン川西岸地区」の方です。
今回はその中でもイエスが生まれた地であるとされる「ベツレヘム」に行ってきます。
観光ができるほどとはいえやはり紛争地。
十分気を付けて行ってきます。
・・・・・・
おはようございます。
朝食です。ビュッフェスタイル。この宿の朝食最高。
もはや昼がいらないほどモリモリいただいております。
ベツレヘム行きのバス停へ。
旧市街のすぐ北「Damascus Gate Bus station」
だと思っていたのですがここではなく、
正解はこちらでした。「Hanevi’im Terminal」
「Damascus Gate Bus station」 のすぐ隣です。
ベツレヘムへは231番、234番バスを使うべし、と宿のスタッフに事前に教えてもらっていました。
頻発しているようでバスはすぐに見つかります。
料金はわずか5.5シェケル(約200円)
物価激高のイスラエルにしてはずいぶん良心的なお値段です。
20シェケル渡したお釣りです。
0.5シェケルなんてあるのか?と思いましたが1/2シェケルコインがあるんですね。
しかも一番でかい。
バスはパレスチナ自治区へ。
隣の席に座ってたパレスチナ人と見られる小さい女の子がめちゃんこかわいかったです。
ぼくのバッグについてる射光バンドに興味津々でずっといじくってました。
(参考)射光バンドこれです↑
乗車時間は40分ほど。
ベツレヘムに到着です。
・・・・・・えぇと。
めっちゃ普通の街ですね。
紛争地ってことでもっと荒れた場所を想像してました。
ぱっと見、普通に人々が商売したり生活したりしています。
日本料理屋さんもあるじゃないですか。
大阪おじさんですって。
さて、ベツレヘム。
見所はいくつかありますが、有名なのはバンクシーと呼ばれる覆面アーティストによる壁面アート。
ベツレヘム市内の広い範囲に点在しているのでタクシーをチャーターして回るのが一般的ですが、ぼくは街の様子を感じたいので歩いて回ることにします。
①バス停
②バンクシーアート「防弾チョッキを着る鳩」
③バンクシーアート「花束を投げる少年」
④バンクシーアート「ハートをこぼす天使」
⑤生誕教会
こんな感じで時計回りにぐるっと。
全部で5kmくらいでしょうか。歩けなくはない距離です。
というわけでまずは降ろされた場所から北上。
パレスチナの分離壁とバンクシーアート1点目を回収しに参ります。
てくてく。
だんだんそれらしくなってきました。
これがパレスチナの分離壁ですね。
イスラエルとパレスチナ自治区を現在進行形で隔てている壁。
いまさらですがパレスチナについて少々ご説明。
パレスチナというのは現在のイスラエル一帯を指していた古い呼び方です。
もともとこの地にはイスラム教徒のアラブ人が住んでいたのですが、
第二次世界大戦後にユダヤ人がこの地にやってきてイスラエルを建国。
それ以降、アラブ人は狭いエリアに追いやられての生活を余儀なくされます。
その狭いエリアのことを「パレスチナ自治区」、そこに住むアラブ人のことを現在ではパレスチナ人と呼びます。
宗教的に極めて重要な場所であるこの地を巡ってユダヤ人とパレスチナ人は長らく紛争を続けてきましたが、現在のところはパレスチナ人が自治を許されるという形で落ち着いているようです。
(非常に簡単な説明なので細かいところは正しくないかもしれませんがご了承ください。また明らかに間違った箇所がありましたら教えていただけると幸いです。)
壁や周囲にはメッセージ性の強い落書きが多数。
有刺鉄線で遊ぶ少年。
お(゚Д゚)!
バンクシーアート1点目発見です。「防弾チョッキを着た鳩」
平和の象徴であるハトがこれまた平和の象徴であるオリーブの葉をくわえて飛んでいます。
しかしその体には防弾チョッキを着ており、さらには銃口向けられています。
なお、ハトの絵の向かい側すぐの場所には分離壁と監視塔。
パレスチナ自治区ベツレヘムの様子です。
繰り返しになりますが紛争地帯とは思えないほど落ち着いています。
商店で購入。水3シェケル(約108円)。
安いです。エルサレムで買うと7シェケルとかしますので。
住宅地をぶらぶら。
のどかです。
大変のどかです。
民家にキリスト教のマーク?
アラブ人の居住地域ということで、てっきりここら一帯はイスラム教徒ばかりかと思っていましたがそうでもないみたいですね。
ベツレヘムはイエス生誕の地ということでキリスト教徒も多いんでしょうか。
何にせよ思ってた以上に宗教事情が複雑そうです。
オリーブの木。
ベツレヘムは丘の上にある街なので上下がけっこう激しいです。
日射しを遮るものがほとんどなく、真上からの直射日光がこたえます。
これも分離壁です。
交通量の多い場所は最初の分離壁の通り高い壁でしたが、少し離れるとただのフェンスですね。
ただし有刺鉄線や数メートルおきに配置された監視カメラがものものしさを語っています。
暑すぎてやばいです。
ちょっと休憩します。
良さげなカフェがあったので休憩。
パレスチナ人の女の子。
ついでに何か食べようと思ったのですが料理作れる人いないとのことでコーラだけ。
死ぬほどうめぇ。生き返る。
4シェケル(約144円)。
散策再開します。
こちらのガススタンドの壁に・・・
バンクシーアート2点目があります。「花束を投げる少年」
おそらくバンクシーの作品で最も有名なものの一つではないでしょうか。
向かいは畑。
本当に何もないただのガソリンスタンドに突如書いてあります。
ガソリンスタンドの従業員も観光客に慣れてるらしく、こっちこっちと指さしてくれます。
まだ年端もいかない少年の手には手榴弾の代わりに花束が。
花束だけがカラフルに描かれているんですね。
おなかがすいたので近くにあったお店で何か食べます。
ファラフェルというひよこ豆のコロッケです。
それをこんな風につぶして野菜と一緒にパンの中に入れてくれます。
5シェケル(約180円)
安いですね。エルサレムでこんなに安くご飯が食べれることはありません。
サンドイッチが安くても30シェケル(約1,080円)とかしますからね。
どうやらパレスチナ自治区は特別物価が安いようです。
おいしいですよ。
「パレスチナ銀行」
「パレスチナ投資銀行」
パレスチナは難民地域だと思っていましたが立派な銀行もあるんですね。
キリスト教関連のお店。
見逃して素通りしてしまいそうになりました。
バンクシーアート3点目「ハートをこぼす天使」
ベツレヘムの街。
ん?これもアート?
レトロな車のボディに木が貫いて成長してます。
どうしたらこうなるんだ??
2.イエスが生まれた地、生誕教会
3点のバンクシーアートを回収し次にやってきましたのは、
こちら、イエスが生まれたとされる場所に建てられた教会。
その名もずばり「生誕教会」です。
入口ちっちゃ。
入っていきます。
内部。
ここのヨーロッパの聖堂のような豪華絢爛というわけではないようです。
絵は中世時期のものですね。
この教会のメインスポットはこちら。
この地下です。
狭い空間に小さい入口でなかなか息苦しいです。
(本当に余談なのですが欧米人のおっちゃんが「押すなよ!?押すなよ!?」と言っており笑ってしまいそうになりました)
イエスとマリアのイコン。肌が黒いですね。
イエスは白人のイメージが強いですが実際には中東の人ですからね。
もしかしたらこっちの方が正しいイエス像なのかもしれません。
地下です。
暖炉のような小さいスペースの中に星形のマークがあるのがわかりますでしょうか。
ここがまさにイエスが生まれた場所とされています。
てことはここは元馬小屋?
面影が残ってますね。いやどちらかと言うと残してるんでしょうけど。
ここに来ているのはヨーロッパからの観光客がほとんどだと思いますが、みんな一心不乱に星におでこを付けて祈っています。
馬小屋で生まれたイエス。
生誕教会終了。
3.パレスチナの天使たち
いちおうこれでベツレヘムで見たかった観光は完了です。
今回は3点しか見てませんが、バンクシーの絵はもっとたくさんありますので全部見たい方はタクシーで見て回るのがいいと思います。
バス乗り場に戻ります。
お、なんだかこの辺は賑やかですね。
商店が並ぶベツレヘムの中心地っぽいです。
お買い物する女性たち。
いろんなものが売られてます。
物資の不足感は感じません。
本当に何度も同じこと言って恐縮なのですが、ここが紛争地帯だとはまったく思えません。
ごくごく普通の、どこにでもある街に見えます。
キリスト教会があったりイスラムのモスクがあったり。
本当にこのあたりの宗教事情は複雑です。
オレンジジュース屋さん発見。
声掛けに反応してつい買ってしまいました。
後ろの階段に座って飲んでいたのですが、ジュース屋の旦那にめちゃめちゃセルフィーしかけられました。フェイスブックにアップしてもいいか?みたいな。
まぁそれは構いませんが飲み終わるまでひっきりなしに撮りまくってたのは苦笑でした。落ち着いて飲ましてくれと。
ところでコレいくらでしたっけ?
なぜかメモが残ってなくて値段わからなくなっちゃいました。
もしかしたらおごってくれたのかもしれません(おごってくれた事実忘れてるとしたらひどいやつですね(^^;))
他にも歩いてたら「俺を撮れ!」と声をかけてくれることも。
なんかこのシチュエーション、トルコ以来です。
楽しいです。
子ども連れのママさんから声をかけられて、子供たちと写真撮ってあげてくれないかと言われることもあります。
双子ちゃん(?)
この子も写真撮ってくれと言ってくれました。
もう一人お友達がいたのですがその子は恥ずかしがって入ってくれず。
この街を歩いていると「どこから来たの?」と頻繁に聞かれ、
日本から来たというと「ジャパーン!アイラーブ!」「ウェルカム!パレスチナ!」と本当に嬉しそうに歓迎してくれます。
日本では、パレスチナ人というのはイスラエルにミサイルをいきなり撃ち込むテロリストという文脈で報道されることが多いように思いますが、そのことを彼らは知っているのでしょうか。
パレスチナとイスラエルの問題はあまりに複雑すぎます。
もともとこの地にはパレスチナ人が住んでいたというのはそうなのでしょうが、そんなことを言ったらユダヤ人はそれこそ紀元前からこの地に住んでいたわけですし、どちらがこの地に住むべきかなんてぼくにはわかりません。
ただ事実として、この地を巡るパレスチナとイスラエルの争いは続いており、パレスチナの人は劣勢に立たされているようです。
もう一方のパレスチナ自治区「ガザ地区」は現在進行形で戦火が上がっていますし、
今穏やかに見えるこの街も、1年後、あるいは1ヵ月後、もしかしたら明日にも戦火に巻き込まれても不思議ではない場所です。
日本で思われているように、パレスチナの人たちは本当に悪い人たちなのでしょうか。
少なくともぼくにはそうは見えませんでした。
今回パレスチナを実際に訪れて、現地の様子を知ることができて良かったと思います。
単なる旅行者のぼくがどうこう出来る話でないのは分かり切っていますが、せめてこの天使のような子供たちが、近い将来戦火に巻き込まることがないよう、祈り願うことだけでもさせてもらいたいと思ったのでした。
2023年4月16日 イスラエル・パレスチナ自治区にて
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