#117 古代仏教遺跡アジャンター インド(26)

インド

こんにちは。にしきよです。
本日もよろしくお願いします。

今回の出来事です↓
1.古代仏教遺跡アジャンター

1.古代仏教遺跡アジャンター

2022年12月22日のお話

ナマステー!
前回のハンピから、政治指導者を多数輩出するというインドの学際都市「プネー」を経由して「アウランガーバード」という街にやって来ました。

アウランガーバード近郊には2つの有名な遺跡がありまして、明日から1日づつその遺跡を梯子していきます。一方はみんな大好き仏教遺跡、もう一方はインドでも屈指の激ヤバ遺跡ということで今から非常にワクワクしておりますにしきよさんです。

南インドの旅もいよいよ大詰め。もう少しお付き合いくださいね。

アウランガーバードの宿「Zostel」
ドミトリー1泊780ルピー(約1,300円)。バス停から遠いしちょっと高いですが清潔でWiFiも強いのはグッド。

様々な国のバックパッカーが滞在しています。
夜みんなで楽器を演奏しているシーン↑程よい距離感でぼくも楽しませてもらいますよっと。

次の日です。

バス停に移動。
ちょうどよく同じ方向に行く乗り合いリクシャーがあったので20ルピー(約34円)で行ってくれました。

本日の遺跡に向かうツアーバスを確保です。
バス停周辺には行き先を叫んでるおっさんが無限にわいていますのですぐに見つかります。

さて、本日行く遺跡はその名も「アジャンター遺跡」
アウランガーバードから北東におよそ100km、バスで片道3時間くらいとのことです。
運賃は往復で400ルピー(約680円)。安いですね。

・・・・・・

3時間後、

アジャンター遺跡の手前に着きました。
降ろされた場所から遺跡までは4km程あるのでさらにシャトルバスに乗っていきます。

バスから降りた地点はバザールになっているので観光の前にお昼。
ターリー140ルピー(約240円)

なおバザールには日本語話す系のインド人がわんさかいました。
お土産屋さんの店主なんで悪い人ではないと思いますけどね。ぼったくろうとしてるかもしれませんが。
お昼食べながら少し話してみましたが、日本語に加えて中国語、韓国語、それからもちろん英語とインドの他の地域の言葉と計7つの言語を話せるようです。
日本に生まれたというだけで日本語だけでのほほんと暮らしている自分とはえらい違いだなとほんの少し尊敬した次第です。

頻発しているシャトルバス。1回30ルピー(約48円)。

外国人入場料600ルピー(約1,020円)
高すぎんだろ可及的速やかにくたばれ。

アジャンター遺跡こんな感じです。

U字型に流れる川とそれに沿う絶壁にいくつもの石窟が彫られています。

アジャンター遺跡について補足をもう少々。
読みとばしていただいても大丈夫ですがより理解が深まると思いますので読んでいただけましたら。

アジャンター遺跡は紀元前1世紀~紀元後2世紀、および5~6世紀に開窟された古代仏教遺跡。
550mにわたって断崖をくりぬいて築かれており、大小30の石窟で構成される。
紀元前2世紀に仏教僧たちが雨季の雨を避けて修行を続けられるように岩壁に部屋を彫ったことに始まる。インド文明が黄金期を迎える5世紀中頃に一気に開窟が進んだが、まもなく戦乱に巻き込まれ放棄、密林の中へと飲みこまれてしまう。以後およそ1000年にわたり人々の記憶から忘れ去られたが、1819年に虎狩りにやって来たイギリス駐屯兵により偶然発見された。

以上がアジャンター遺跡の簡単な説明です。
もう一点ぜひおぼえておいてほしいのは、これから見ていくすべてが彫ったものを後から持ち込んだのではなく、最初から岩壁を掘り出すことで作られたということです。

さぁ!そんな歩き方先生をして「人類の宝」と言わしめるアジャンター遺跡、存分に楽しませていただきますよっ(゚∀゚)!

うぉーーーっ(゚∀゚)!
これは嫌でもでもテンション上がるっ(゚∀゚)!

係員「はーい、こっち来てくださ~い」
ぼく「イエス?(なんだよ!早く見たいのに!)」
係員「セルフィーOK?」

・・・〇ね(^ω^)

インド人の自撮り攻撃に巻き込まれるアメリカニキ。
サングラスの奥では目が死んでるに違いない。

彼とは今滞在中のゲストハウスで知り会い、本日一緒に観光することになりました。
見た目はやばそうですが中身もやばい。30ルピー(約48円)を浮かすためにシャトルバスの4kmを歩こうとしていた極度のバジェットトラベラー(貧乏旅人)です。
汚い言葉(クレ〇ジー、ファ〇キンなど)をよく使うあんまり近づきたくないヒッピータイプの人間ですが、どういうわけか仏教にまぁまぁ詳しくちょっと面白かったので同行しました。

観覧順序は入口に近い第1窟から順番に第28窟まで順番に見ていきます。

いざっ(゚∀゚)!
いざっ(゚∀゚)!

最初にして最大の見どころ第1窟。
当時、中央インド一帯を支配していたヴァータカ帝国の皇帝ハリシェーナが開窟を指揮したそう。

窟の中はかなり広く、絵画を保全するために最低限の明かりだけで非常に暗いです。

奥に安置された仏像が荘厳…!
これ作った後から持った来たのではなく、岩壁から彫り出したものですからね?すごすぎでしょ。

壁画。
非常に細かく描き上げられています。これが5世紀当時のものとは驚きです。

インドの絵画は古代から発展していたことが知られていますが、高温多湿な気候のため状態良く残っているものは皆無に近いらしいです。
そんな中で、ここアジャンターの壁画は完成度が高い状態のものが豊富に残されているようです。

天井の絵画。割としっかり色が残ってますね。
青の顔料だけはイラン、アフガニスタンから運んだラピスラズリから作ったものだそうです。

これこれぇ!
本日はぜひともこれを見ておきたかったのです。

「蓮華手菩薩」
日本の法隆寺に描かれている菩薩像の遠いルーツとされるそうです。
遠い昔に山を越え、海を越え日本までたどり着いたことを思うと感無量ですな。

ちなみに感慨深げに語ってますが、当の法隆寺の菩薩像は見たことありません。
日本に帰ったら見てみたいと思います。

さらにちなみにですが、実は最初に第1窟を後にした時にはこの絵を見逃していました。
メインディッシュがこんなにいきなり出てくるなんて思っていなかったもので。
第6窟まで行ったあたりで見逃してたことに気付き、「ごめん!この絵一番見たかったのに見るの忘れてた!一回戻るわ!」とアメリカニキに言ったところ「それなら部屋に入って正面左側にあったぜ」と言われました。
アメリカニキは見逃すことなくしっかり見ていたようです。

次に進みます。

ちなみにどの窟も土足禁止。
中に入る前にいちいち脱がなくてはいけなくて面倒なのでずっと裸足で移動してました。

第4窟。
僧侶たちが集まって修行したり暮らしたりする場所でヴィハーラ(僧院)と呼ばれます。
この大きさの部屋を岩から掘り出すのすごすぎだろ・・・

壁に並ぶ彫像。
ライトアップで大変かっこいいです。

第6窟。

第6窟はアジャンター唯一の2階建て。
岩を掘り出して2階建て構造にするって頭おかしいですね。すごすぎです。

2階部分。

実際にはかなりじっくり見てますがブログ上ではサクサク行きましょう。

第9窟。
比較的狭い空間にストゥーパ(仏塔)が祀られています。
このタイプはチャイティヤ窟(塔院)と呼ばれるようです。

アジャンター遺跡の開窟は2つの時期に分けられると言いましたが、第9窟はまだ仏像という概念がない紀元前1世紀、つまり前期の制作。
仏像がない時代はストゥーパが信仰の対象になっていたということですね。

柱の絵画には仏像が描かれていますが、これは5世紀、つまり後期のものとのこと。

第10窟。
第9窟と似ていますがさらに小さく簡素。

ここでの見所は発見者のイギリス人が記念に残した落書きとのことです。
何してくれてるんでしょうかね全く。
13番目の柱にあるとのことですが残念ながらそれらしきものは見つけられませんでした。

第19窟。
入口の彫刻もすばらしいです。

第19窟は後期のチャイティヤ窟で、この頃にはストゥーパが仏像と一体化していることがわかりますね。

サイドの壁面彫刻も見事です。

第何窟か忘れましたが見事に彫られた柱とレリーフたち。

第24窟。
こちらは未完成の窟ですが、逆に言えば制作途中の様子を知ることができます。

最後です。第26窟。

アジャンターで最後まで開窟作業が続けられた華麗にして豪華なチャイティヤ窟。
くどいようで恐縮ですが、これ全部岩から彫り出して作られたものです。ノミ、金槌、つるはしだけで彫ったのですから、想像を絶する事業です。

サイドには彫刻がずらり。

インド最大の涅槃像。7.2mだとか。

少し引いて撮りました。
大きさがわかりますでしょうか。


さて、一応一通り全部見終わりました。
だいたい2時間くらいですかね。

最後に、アジャンター遺跡を一望できるという中央の高台に行ってみます。

お土産売りが売りつけようとしてきた本。ご丁寧に日本語版も用意されていました。
最初1,000ルピー(約1,700円)でしたが何も言わない間にみるみる下がっていき最終的に200ルピー(約340円)になりました。買いませんでした。

パッと見でドット粗が見えるほど写真のクオリティは残念。日本語もところどころおかしいですね。
とはいえ個人的にほしいと思ったのは内緒。

10分くらい階段を登って展望台に到着です。

アジャンター遺跡を一望。
うん、まぁそんなすごいものでもないですね。

頂上ではポン菓子が売られていました。
10分も階段を登って喉カラカラになってるのに「ハワユー?ポン菓子いるか~い!?」とニコニコ聞かれたときは頭どつきたくなりました。
なんでここでポン菓子売るんですかね。売るなら水かジュースでしょうが。

学生さんたち。中学生くらいかな?
遠足か修学旅行で来てるっぽいです。

アジャンター遺跡観光中は終始彼らからセルフィーを求められて大変でした。

とはいえ、おっさんと違って学生、特に女学生さんたちからセルフィー頼まれるのは悪い気しないですね。人気者になった気分です。我が人生にはついぞ訪れることはないと思っていたモテキというやつでしょうか。

インド人はウザイウザイと文句を言っていたアメリカニキも学生さんたちからの無邪気なセルフィーの求めにはサングラス取って気前よく応じていた様子です。

インドの中高生がよく話しかけてくるのは学校で習った英語が実際に通じるかを試してみたいというのもあるんでしょうね。だから答えてあげると通じたことが嬉しいのかパッと顔が明るくなります。
疲れてて対応が面倒な時もあるけど、キミたちの将来のためにも頑張って対応しちゃうぞ☆
ただしおっさんてめぇはダメだ(^ω^)

以上、アジャンター遺跡でした。
日本の仏教のルーツ、また仏教の悠久の歴史に触れることができて非常に満足です。来てよかったです。

さて、ここからまたシャトルバスに乗ってアウランガーバードに向かうバス乗り場に戻ります。

・・・のはずでしたがなぜかシャトルバス使わずに歩いています。
「どうせ時間あるしシャトルバス使わす歩いて戻ろうぜ!」とアメリカニキが言い出したのでそれに付き合った形です。
ですが正直後悔しました。シンプルに4km歩くのはしんどかったです。

途中あたりでインド人のおっさんが「君たち!ちょっと待ってくれ!」とドタドタ走って来てよっぽど大変な何かが起こったのかと思ったら「セ、セルフィーいいかい(・ω・`)?」と言ってきた時は爆笑してしまいました。そんなにセルフィーが大事なのかと。

おっさんとのセルフィーは断る主義ですがあまりにおかしかったのでこの時ばかりは割とノリノリでセルフィー撮らせてもらいました。

歩いたあとのLimcaうめー(゚∀゚)!
40ルピー(約68円)

・・・・・・

また3時間かけてバスで帰ってきました。

夕飯は宿の近くのフードコートで。

ハンバーガー。メモし忘れましたが確か100ルピー(約170円)だったと思います。

足りなかったのでプリー30ルピー(約58円)も追加。

アメリカニキが頼んだドーサ。

明日はアウランガーバード近郊のもう一つの遺跡「エローラ遺跡」に行ってきます。
インドでも屈指の激ヤバ遺跡です。お楽しみに。

今回の投稿は以上です!
最後まで読んでいただきダンニャワードでした!

2022年12月23日 インド・アジャンター遺跡にて

コメント

  1. TETSU より:

    ブログいつも楽しく読ませてもらってます。
    昔読んだ和辻哲郎の古寺巡礼と言う本にアジャンター遺跡のことが書かれていていつの日かあの菩薩様を見てみたいなと思ったことをブログ読んで思い出しました。
    行き方他とても参考になりました。ありがとうございます。

    • nishikiyo nishikiyo より:

      和辻哲郎さんというと受験で覚えたきりの懐かしい名前でした笑
      そんな本があるのですね。日本に帰ったら読んでみようと思います。
      ありがとうございます(^^)

タイトルとURLをコピーしました