#99 高山病は突然に・・・ ネパール(10)

ネパール

こんにちは。にしきよです。
本日もよろしくお願いします。

今回の日記はエベレストベースキャンプから戻ってきた日の夜、ゴラクシェプで寝ているところから始まりです。

今回の出来事です↓
1.高山病は突然に・・・
2.そして下山へ・・・
3.一人飲み会@カトマンズ


1.高山病は突然に・・・

エベレストベースキャンプから帰ってきた夜、
ゴラクシェプで寝ようとしている時にその異変は起きました。

・・・・・・(´Д`)

・・・・・・ (´Д`)

・・・・・・ (´Д`)

・・・・・・・全く眠れません(´Д`)
今日は歩いた距離も多いのですぐにでも眠れそうなものなのですが・・・
・・・・・・全く眠れません(´Д`)

寝れずにいる今の状況はこんな感じです↓

・ものすごく寒い。
・空気が薄すぎて息苦しい。呼吸が異常に速い。
・何度もトイレに起きてしまう。
・ベッドから体を起こすだけで息が切れする。
・体がフラフラして廊下をまともに歩けない。
・トイレに行くための数段の階段を上り下りするだけで頭が痛くなる。

とにかく息が苦しいです。
意識的に呼吸し続けなければ酸欠で頭が痛くなります。

頭では必死に寝ようとしているのですが、
なぜか、寝たら死んでしまうという強迫観念に支配されて潜在意識が眠ることを拒否しています。

息切れ・・・
平衡感覚の喪失・・・
頭痛・・・
睡眠障害に意識障害・・・

・・・これは・・・間違いなく高山病ですね(´Д`)
昨日のは単なる食あたりでしたが今回のは間違いなく高山病ですね・・・

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・チュンチュンチュン

・・・よ、ようやく朝だ…(´Д`)

上記の状態を繰り返しながらなんとか朝を迎えました。
マジで一睡もできませんでした。

寝たら死んでしまうと本気で思い込んでいたので
とりあえず命ある状態で朝を迎えられたことにただただホッとしています。

おっちゃん「グッモーニン。大丈夫か?」
ぼく「グッモーニン(´Д`)・・・ちょっと昨夜寝れなくて・・・。酸素濃度測っていい?」
おっちゃん「・・・74か。危険ではないがあまり良くない数値だな。」
(平地では100、このあたりの高地では80が目安。60を切るとかなり危険)
おっちゃん「今日はカラパタールに行くと言ってたな。悪いこと言わんから中止した方がいいぞ」
ぼく「むむむ・・・(´Д`)」

・・・・・・

どうしましょうかねぇ・・・
朝になって体調はかなり良くなってきたので大丈夫かもしれませんが、万一上で体調を崩すと大変なことになります。

カラパタールまでは2kmほどと距離的にはそこまで遠くないのですよねぇ。
でもここからさらに500m近く高度を上げるのは危険かもしれないですねぇ。
でもでもでも、ここまで来るのに9日かかったのに最後の2kmをあきらめるというのも悔しいですよねぇ・・・

・・・・・・(´Д`)(考え中)

・・・・・・(´Д`) (考え中)

・・・・・・(´Д`) (考え中)

・・・えぇと、すみません。
いろんな手を考えたのですが、今回はカラパタールに行くのは諦めて下山することにしました。

カラパタールからの景色を楽しみにしてくれていた方がおられましたら申し訳ないですし、何よりぼく自身が残念に思っているのですが、身体のリスクに代えることはできません。

当初の2つあった目的地の一つ、カラパタールに行けなかったのは残念ですが、
もう一方のエベレストベースキャンプには到達できたので後悔はありません。

2.そして下山へ・・・

というわけで、
下山すると決めたからには速やかに下山していきます。

高度を下げるほど、物価も安くなり、空気も濃くなり、気温も温かくなり、充電もできるようになり、WiFiも使えるようになるなど、何もかもいいことづくめですので足取りは軽やかです。

100m降りるごとに明確に空気が濃くなり、どんどん呼吸が楽になっていったのを覚えています。
とにかく早く、とにかく早く死の世界から離れたくて休憩や写真撮影もそこそこにどんどん降りていきました。

登りに9日間かかった道も下りにかかった日数はたった3日間でした。

こう書くとさも下りが楽だったかのように感じるかもしれませんが、1日に歩く距離が長いのと下り一辺倒ではなく登り道もそこそこありましたので、高度順応のためゆっくりのペースだった登りよりどちらかと言うと下りの方が大変でした。普通はもっと日数をかけて下山するものだと思います。

特に下山2日目、ペリチェからナムチェへの道は長距離&アップダウンが激しくてしんどかったです。

暗くなる前にやっとのことでナムチェにたどり着いた時の安心感といったら筆舌に尽くしがたいものがありました。

疲労でクタクタ。
びっくりするくらいゆっくりのペースで階段を一段一段降りていきます。

登りの時と同じ宿に投宿。
同じ部屋を用意してくれるという粋な演出。
なんとなく安らぐんですよね。

・・・・・・

下山3日目、ルクラ(2850m)に到着しました。
ルクラには飛行場があり、多くのトレッカーにとってはトレッキング開始地点となる村です。


ルクラはナムチェに負けず劣らず賑やかな村でした。
さすが始まりの村。

ルクラの飛行場。
険しい山の中につくられた当飛行場は「世界一危険な飛行場」と言われています。
少しでも霧が出ると視界不良で欠航になり、10日間飛ばないなんてこともあるようです。



滑走路が坂になっているのがわかりますでしょうか。
短すぎる滑走路を補うために、離陸時は下り坂で加速し、着陸時は上り坂で減速させるのです。

本日の宿「Hotel Norling & Restaurant」
一泊200ルピー(約220円)

こちら、2週間トレッキングをともにしたシューズです。
ぼくはもう必要ないので宿の人に預け、現地のポーターさんで必要としてくれる人にもらってもらうことにしました。

今回のトレッキングで最も心に残ったことは何だったかと聞かれたとき、おそらくぼくの中ではポーターさんの存在が最も印象的だったと答えると思います。

彼らとは毎日のようにすれ違い、同じ階段を追い越し追いこされながら一緒に歩いていました。
いちいちブログに載せることはしなかったのですが、一日にそれこそ何百人と目にしてきたと思います。

繰り返しお伝えしています通り、山の物価は地上では考えられないほど高いです。
ご飯を食べる度に値段が高すぎるだのぼったくりだのブーブー書いておりましたが、それは多分にブログ的なアレでして、食べ物はすべてポーターさんがここまで担いで持ってきてくれていることを知っていますので、実際には感謝こそすれ不満はありませんでした。

山奥にも関わらずぼくら観光客が食べ物にありつけ、暖かく過ごすことができるのはすべて彼らのおかげです。感謝と尊敬が止まりません。

そんなぼくらのトレッキングを支えてくれているポーターさんですが、残念ながら収入はそれほど多くはないようで、中にはビーチサンダルみたいなぺらぺらな靴を履いて不安定な岩場を登っている人もいます。



本来であれば、ポーターを雇うことで彼らにお金を落としていくのがぼくのような個人観光客がするべきことなのかもしれませんし、実際何度か雇うことも考えたのですが結局財布の事情でできませんでした。

そういうわけで、これがぼくが彼らに対してできた唯一の感謝でした。
必要なくなった物を譲るというのはもしかしたら失礼なのかもしれませんが、それでも捨ててしまうよりは必要としてくれるポーターさんに使ってもらいたいと思いまして。
宿の人も、必要としてくれるポーターはたくさんいるよ、と言ってくれました。

ありがとよ。これからはポーターさんの足を守ってあげておくれ。

3.一人飲み会@カトマンズ

次の日です。

恐れ入ります!

にしきよさん!

飛びますっ٩(゚∀゚)و!!!

すげーよー(゚Д゚)
ジープで2日かかった道が30分でひとっ飛びだよー(゚Д゚)
もはやワープだよー(゚Д゚)

久々の地上!めっちゃあったけぇ…(´Д`) 
冷え切った体が解凍されていく気分だぁ…(´Д`)

あ、いや、てかむしろ暑いな(^^;)(今超厚着)

ペットボトルがつぶれてる(゚∀゚)!
そしてまだ冷たさ残してる水がうめぇ(゚Д゚)!

・・・・・・

カトマンズの宿に戻ってきました。
安堵感がすごいです。

とにもかくにもまずはシャワーを浴びたいです。
高地は空気が乾燥していたので数日間シャワー浴びなくてもさほど不快感がなかったのですが、地上におりてきて一気に浴びたくなりました。
鏡を見たらいったい何日風呂入ってないんだというほど髪がべたべたのギシギシです。


ちなみに、いったい何日風呂入ってないんだという質問の答えは12日間でした。
もちろんこんなに長くシャワー浴びなかったのは初めてですよ。ちゃんと普段は毎日シャワー浴びていますからね。念のため。

・・・・・・

12日ぶりのシャワーは本当に気持ちよくて生まれ変わったかのような気分でした。
シャンプーは3回くらいでようやく泡立ち、抜け毛の本数にドン引きしました。

7日間履き続けたソックス。
激臭です。皮脂が酸化したような酸っぱい匂い?
今まで気づかなかっただけでぼくの足ってもしかして臭かったではとうっすら絶望しました。

同じく10日間着続けたシャツ。
こちらは首回りや脇の下ですらまったく臭くありません。
どういうことでしょうか。不思議でなりません。

ちなみに、同じく10日間履き続けたパンツについては
写真を撮ることも匂いを確認することもなくゴミ箱に投げ込みました。

・・・汚い話のあとで恐れ入りますが、


シャワーの後はトレッキングの無事と成功を祝しての飲み会です。
茄子と豚肉の味噌煮定食に卵焼きとコーラまで付ける豪遊。

山の金銭感覚が残っている身としてはこれで630ルピー(約700円)というのはチート級に安く感じられるんですよね。筋肉痛で悲鳴を上げている全身の筋肉たちに肉の旨みが染み込みます。

次の日も日本食。
照り焼き丼500ルピー(約550円)。

本当においしいです。
そして幸せです。



普段は当たり前すぎて何とも思わなかったですが、毎日シャワーを浴びれたり、おいしい料理をおなかいっぱい食べれたり、暖かい布団で眠れたりというのはそれだけで非常に幸せなことだったのかもしれません。

2週間山にいたことで、今まで自分が当たり前に持っていたことが実は大変な幸せなことだったと気付けたというのは、トレッキングをすることによって得られた思わぬプレゼントだったのかなと思います。

・・・・・・

以上、2週間にわたるエベレストトレッキングの日記でした。
長いことお付き合いいただきありがとうございました。

エベレストトレッキングでは様々なことを感じましたので、
次回はトレッキング中に思ったこと感じたことをまとめてみたいと思います。
ここまでの日記とオーバーラップする内容もあると思いますがどうぞよろしくお願いします。

今回の投稿は以上です。
最後まで読んでいただきダンニャワードでした。

2022年11月1~4日 ネパール・エベレスト街道にて




コメント

  1. Sonoko より:

    こんにちは。
    最高です!!たくさんの素晴らしい景色を見せて下さって有難うございました!

    高山病は私も何度かなったことがありますが、あの苦しさは本当に死の恐怖を感じますよね。
    残念だったとは思いますが、もう一つの山に行かない決断をされたのは正しかったと思います。本当に怖いですからね・・・

    帰りはあの飛行機に乗られたんですね!すごい!

    シャワーはやっぱりみんな登山中は浴びないものなんですね。10日間も着替えすらしない感じなんですか?シャツが臭わなかったのは謎ですね〜(笑)

    ポーターの方たちは安全な靴すらないまま重たい荷物を運んでくれているんですね。
    靴を受け取った方が喜んでくれているといいですね!

    続きも楽しみにしています。

    • nishikiyo nishikiyo より:

      いつもありがとうございます(^^)
      シャワーは500~1000円くらい出せば毎日浴びれますよ。
      でも浴びなくても気にならないですしほとんどの人は浴びてないと思います笑

      続きもお楽しみに(^^)!

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